「さ...さっ....最低!!」



あたしはすごい勢いで
保健室を飛び出してた。



あたしの大事なファーストキス

あたしの...大事な...







「あれ?響!!大丈夫?」

ビックリした顔の彩名が
目の前に立っていた。

「今、迎えに行こうと思って
向かってたところだったのに」
そう言って彩名が笑う。

ニコッと最上級の笑顔で。



あたしはこの笑顔が好き。



そもそもあたしが喧嘩が強い
のは彩名を守るためだった。

彩名は小さい頃から
イジメられる事が多かった。

それは性格が悪いからとか
生意気だからとかではなくて

ただ、彩名好きの男子が
彩名に近寄りたいがために
わざとしている事だった。


でも、いつも彩名はあたしに
泣きついて来て助けを求める。

助けると彩名はあの最高の
笑顔をあたしに向けてくれた。


その笑顔が大好きなあたしは
彩名を守るって決めてた。


彩名の笑顔を守るんだって..。