奥村が働き出してから、一週間がたった日の朝。
土方の部屋には、近藤と優希の姿があった。
「山崎の報告は聞いたか?」
「はい。どうやら間違いないようです。」
土方は文机に肩肘を付き、悩ましげに頭をかいた。
「ったく、上は面倒ばっかり押し付けやがる。」
「歳、しょうがないさ。会津藩の松平様がいなければ、新選組の今はない。」
そういう近藤も、顔には苦悩が表れていた。
「優希、お前今回はどうする?」
「そりあえず、もう少し烝に情報収集をしてもらいます。」
「零だけでいいのか?」
「・・・今回は。」
そこまでで、各々が考えに落ちた。
新選組を管轄している会津藩から、近藤が呼び出されたのは奥村がやってきた日だった。
そして、零番隊への特任務が下されたのだ。