考えるってよりも妄想に近かったよね。いや完璧妄想だったか。


この恋は重症処じゃないよ、もう。病気だ病気。



テーブルに俯せるとキッチンから戻ってきた拓哉くんが呟いた。



「なんかさ、スゲー違和感があるんだけど」



私の前にお茶を置いて、自分の分のを飲みながら拓哉くんは煌くんの隣に座った。



「何で咲月は"さん"付けなんだよ。他人みてーじゃん」

「馴れ馴れしいかと…」

「華衣ちゃんもさー、俺らのこと呼び捨てでいいよ?咲月のことも煌くんなんて、よそよそしい」



拓哉くんの言葉に皆が頷づいた。


「そうだよー煌くんもあたしたちのこと呼び捨てでいいよ?」

「私もずっと思ってたー!井上さんなんてあんまり呼ばれないからこそばゆくて」

「裕子の名字って井上だったっけ」

「……死ね、馬鹿拓哉」

「まぁ、皆こう言ってることだし。今日を機に名前で呼び合うのはどう?」



綺麗にまとめた祐吾くんはやっぱり大人っぽいな。

尊敬しちゃう。