「どうしたの?あの二人」


煌くんに尋ねると、溜め息を尽きながら話した。


「祐吾も拓哉も傘ないみたいで、オレだけあったんだけど…三人ではキツイってなって」

「祐吾くんが真里と帰ることになったの?」

「そうなんだけど、そうしたら拓哉が「祐吾も来いよーっ!」



煌くんの言葉を遮ったのは、まだ祐吾くんを追い掛けてる拓哉くんだった。


…何となく状況が掴めてきた。



「咲月と帰ればいいだろ!三人で一つの傘なんて無理だっ」

「男と相合い傘なんて恥ずいだろ!?」

「だったらお前が一人で帰れよっ!」

「風邪引いたらどうするんだボケッ!」

「知るかっ馬鹿は風邪何か引かねーよ!」



まだまだ続きそうな言い合いを横目に煌くんはまた面倒臭さそうな顔をした。


…まぁ、したくもなるよね。


普段一緒に帰ってるのに相合い傘は嫌なんだ。