「うわー…土砂降りだー…」


一日の授業が終わって、皆にバイバイを言いながらゆうちゃんと真里と三人で昇降口に向かった。


だけど目の前は暗くて、大量の雨で道の先が見えない程だった。


「今日こんな天気予報だった?」

「さぁ。靴絶対ビショビショになるー…」



傘を広げるゆうちゃんに、溜め息を尽きながらも渋々とローファーに履き変える真里。


私も嫌々ながらも帰る靴に履き変えた。



…雨は好きになったけど、土砂降りまでは好きになれないよ。


帰るの大変だし、体育の時間でもないし。

雨は体育の時だけ降ってくれればいいのに。


なんて、考えても無駄か。



傘をさして歩き出すと真里が誰かに呼ばれた。


…この声はもしや。


「祐吾。どうしたの?」


やっぱり、ね。



「いや、一緒に帰れるかなって」

「大丈夫だけど…今日は遊ぶんでしょ」

「あー…雨が本格的になったし遊びは中止」

「そっかぁ」