「バカっ!」


当麻くんを軽く押すけど、腕はガッチリと肩にまわされ、びくともしない。


確かに、こういうオトコらしさも、鶴くんにはナイよね。


しゃべったり相談したりするにはいいんだけど……。刺激には欠けるかもしれない。


……って、別に私、刺激が欲しいワケじゃないんだけどね?


「おい、さや。当麻になに言われた!?」


お兄ちゃん、床から立ち上がり、私たちに近寄ってくる。


言えませーん!


「なにも言われてないよ~」


とりあえずごまかすと、当麻くんも満足げに笑って、私を更にキュッと引き寄せた。