「当麻、あの好青年見習えよ。オレんとこに麦茶持ってきてな、コップの底の水滴を自分のハンカチで拭いてから、よこしたんだぜ?」


なるほど。そのまま渡したら、お兄ちゃんの膝にかかったりするから? 


鶴くんさすが、気が利くね。


「マジかよー。鶴、流星さんにまでコビる気かぁ?」


「あれはしつけがなってるな。坊ちゃんか? さや、当麻やめてあっちにするか?」


お兄ちゃん、当麻くんのお腹に軽くパンチを入れ、笑顔で私を振り返る。


当麻くん、なんかすねちゃったみたいで、床にぐったりしたまま反撃しなくなった。


……もー。しょうがないな。