「じゃあ……一瞬だけ、ね?」


「了解」


そう言うと、当麻くんは私の手首をつかんだまま、そっと私をキッチンの壁に押し付けた。


顔がそっと近づいて、当麻くんがフッと優しく微笑み、ふたりで見つめ合う。


トクトクと


胸が高鳴り、目がそらせない。


「さや……」


「当麻くん……」


ジッと当麻くんの顔を見ていたけど、


限界まで近づくまで待って、フッと目を閉じた。