「さやちゃんは、大切な友達だよ。当麻くんも同じ。

オレ、当麻くんに憧れてるからさ……そんな当麻くんと付き合ってる、さやちゃんがうらやましい」


鶴くんがそう言ったとたん、当麻くんはギュッとつかんでいた鶴くんの体を解放した。


「マジかよっ。お前……そっちか? いや、気付かなくて悪かったな」


当麻くん、ツツツと私の方へと寄ってくる。


「あはは、違うって。オレが好きなのは、女の子。この麦茶、先に持っていくね」


鶴くんは笑みを浮かべ、麦茶を持ってリビングへ消えた。


そっか~。鶴くんにも好きな子がいたんだ。


そりゃ、いるよね?


うちのクラスかぁ。……誰なんだろ。