みんなを残し、キッチンへ入るとうしろから声をかけられた。


「さやちゃん、手伝うよ」


えっ!鶴くん?


振り向けば、鶴くん。私のうしろをついてきていたんだ。


「うわ~。ありがと。鶴くんホント優しいね」


「いやっ。なにもしないと落ち着かないっていうか……」


鶴くんは恥ずかしそうに頭をかいていた。


当麻くんは、こういうとき、座って待ってるタイプだからね。だから、してあげたいって思っちゃうんだけど。


冷蔵庫から麦茶を出し、グラスに注ぐ。そのひとつひとつに、鶴くんが、氷を入れてくれた。


ちょっと高い位置から氷を入れたからか、グラスの中の麦茶が、ピチャッとはねて、私の顔に飛んだ。


「あっ、ごめん!」