鶴くん、月ちゃんの完全なるオモチャ。


「さや、絹川当麻の機嫌が悪くなったら、私たち帰るねっ」


「ごめん、月ちゃんそんな気遣ってくれなくても多分だよ。ここは、うちの家なんだから」


ふたりを連れ、リビングに入って行くと……。


ソファに横並び、当麻くんとお兄ちゃんが楽しそうに喋っていた。


「お!さやと……、月ちゃんか。それと、誰?」


当麻くんより先に、お兄ちゃんがまず私たちに気付いた。


お兄ちゃんの視線は、鶴くんに集中。


「同じクラスの友達で、鶴くん」


私が鶴くんの紹介をすると、後ろ向いていた当麻くんが、突然こっちを振りむいた。