恋するキャンディ2私だけの甘々不良彼氏

「もうっ……」


「ずっとさやを抱きしめて、同じベッドで寝て、目覚めて、さやが目の前にいる生活って……最高だよな」


「そんなの、すぐだよ。取り合えずは、当麻くんの誕生日に……ねっ?」


「あぁ」


「エッチなしなんだよね~。ふふっ、ずーっとギュッてしてもらちゃお。

当麻くんの腕枕で寝るんだぁ」


「おう、朝まで腕枕な。じゃ、さやはオレの抱き枕~」


「抱き枕にキスするの禁止」


「え、マジで?」


「だって、キスしたら……当麻くん止まらなくなるもん」


「知らね」



「……きゃっ」


当麻くん、また私にキスしてくる。


デートスポットの公園で、夏の暑さも忘れるほど……


当麻くんと、甘くて熱いキスをたくさんした。


すればするほど……当麻くんはキスだけじゃ物足りなくなってくるみたいで。


今度は胸を触られそうになったから、慌てて止めた。


だって、服の下から直に触ろうとしてくるんだもん!


『早く帰ってお兄ちゃんに今日の話しよう』って提案したら、


『後日改めて』って言われてしまった。


後日って……


誕生日まで、もうあとちょっとだよ?


ホントに大丈夫なのかなぁ。





バイクで家まで送ってもらう帰り、当麻くんの背中にしがみつきながら、ふと思った。


クーラーが効いたどんな高級車より、


私はこの背中にくっついてバイクに乗るのが大好きなんだって。


昼間は、『メットかぶるとメイクが落ちる』なんて、思っちゃってゴメンね。


夏の暑さで、もうメイクなんて落ちてるし


グロスだって当麻くんに唇ごと食べられちゃったから、


もう跡形もない。


当麻くんは、私のメイクが崩れてようがそんなの全然関係ないんだよね。


こんなに私を想ってくれている当麻くんと一緒にいられるだけで幸せなのにね。


『ホントはなにもなかったのに……焦って迎えに来させてごめんね』


当麻くんの背中に


そう、小さく呟いた。



今日は……


当麻くんが、お兄ちゃんに誕生日の日のお泊りの話をしにくる日。


というか、もう明日が当麻くんの誕生日なんだよね。


だから今日言うのを逃してしまうと、泊まれなくなるワケで。


お兄ちゃん、今日は夕方からバイトだって言ってたから


今は自分の部屋でお昼寝してる。


当麻くんは14時過ぎに来るって行ってたけど……。


お兄ちゃん起きてないから、実際来てもらっても会話できないっていうか。


私ひとりが、自宅でヤキモキしていた。


何も知らないお母さんは、当麻くんが来るって聞いてなんだかソワソワしてる。


さっきからお茶を入れたり、部屋の掃除をしたり、


リビングのソファに座る私の前を行ったり来たり。


……どうもね、当麻くんのコト、かなりタイプらしいんだ。


お兄ちゃんが悪さしてても、『犯罪に手を染めなければいい』って言って、


あとは見て見ぬフリで、放任してたワケがわかったよ。


お母さん、どうもヤンキー系男子が好きみたい……。


そう言えば、極道系の映画とか、荒れた高校生の話とか好きだもんね。


「ねぇ、さや。当麻くんお菓子これで足りると思う?」


お皿にてんこ盛りになったお菓子を、お母さんが持ってくる。


「当麻くん甘いの嫌いなんだよ。あ、キャンディは好きかな」


私の前だけ、限定だけどね~。


お母さんに当麻くんとキャンディ食べながらキスで移し合いっこしてるとか言ったら、


驚くよね……。絶対に言えないや。


あはは……。


「えっ、そうだった?やだ、早く言ってよ。

キャンディって流星がいつも部屋に常備してたわよね。……わかった、取ってくる」


「えぇっ、いいよ」


2階に上がろうとするお母さんを、慌てて引き止めた。


目の前にキャンディてんこ盛りなんかになってたら、


お母さんが目を離した隙に、キャンディ口に入れてキスしてきそうなんだもん。


『そのつもりで置いてたんだろ?』って言ってきそう……当麻くん。


「あぁ、緊張するわ。当麻くん、流星の友達の中で1番のイケメンよね。あんなカッコいい子見たコトないわ」


頬に手をあてて、少女のように照れてるお母さんを見て、ちょっと呆れてしまう。


「あのね……お母さん。当麻くんは、お兄ちゃんの友達じゃなくて、私の彼なんだからね?」


勘違いしてそうだから、一応クギを刺しておいた。



「そんなのわかってるわよ。こんなことなら、昨日美容院に行っとくんだったわ」


……全然わかってない。しかも、髪まで巻いてるし。


もう、当麻くんはお母さんに会いに来るんじゃないんだからね~。


と、そのとき私のケータイが鳴った。


当麻くんからのメールだ!


『着いた』


って、書いてあった。


「当麻くん、着いたって!」


急いで玄関に向かうと、お母さんも後ろから走って着いてくる。


「やだ、いいから……私が迎えに行くから~」


「さやは、流星を起こして来なさい。ここはお母さんが……」


二人で押し合いっこしていると、玄関のチャイムが鳴った。


結局、二人でお出迎え。


「当麻くん、いらっしゃ~い」


扉を開けると、普段よりかしこまった姿の当麻くんが


玄関前に立っていた。



うわぁっ……。


カッコいい!!


っていうか、どうしてスーツなんて着てるのっ?


当麻くんは、この真夏に……なぜかスーツ着用。


胸元深くシャツを開いて、ネックレスがチラついてるから


なんだかいかがわしい雰囲気ではあるけど。


うわ~、ヤバい!


なんか、ホストっぽい!


……ドラマに出て来そうな俳優さん並みの、ううん、それ以上のカッコ良さだよ。


まぁ、とにかく…


ホレボレしちゃうほど、スーツ姿がよく似合っていた。


「どうも、ご無沙汰してます」


当麻くんは目を細め、お母さんに軽く会釈し、笑顔で挨拶してる。


お母さんは、そんな当麻くんに、完全にヤられちゃってる。


いつもは見せない、よそ行きの極上スマイル。完全に舞い上がってるし~。


「こんにちは。ホント、久しぶりねぇ。

いつでも気軽に来てくれていいのよ?

当麻くん、暑かったでしょ?さぁ、早く上がって上がって」


うわぁ、なんかヤダ! やたら当麻くんにベタベタ触ってる。


私の当麻くんなのに……。


ふたりのやり取りを横目で見ていると、


当麻くんが、フッと笑った。