握った手を額を当て、目を閉じる。
瞼の裏に浮かぶのはコンビニでの出来事。
知らない男二人にバット。
そして私を守り、気を失った龍。
「…なにが白虎連合幹部や」
いつもなら絶対に気付いていた。
ただ、熱が高くて思考回路が回らなくて。
なんて、ただの言い訳。
実際はこうやって大事な舎弟を犠牲にしているのだから。
「ごめんなさ、い」
一筋の涙が頬を伝っていく。
その瞬間、涙はどんどん溢れていって。
龍ごめん。
痛かったやんな。
起きて、起きてよ。
龍。
「コラ、安静にしろって言ったやろ」
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