「ゆいさん、知り合いっすか?」
頭上から聞こえる声にハッとする。
龍は中学での話は知っている。
でも絵里が絡んでいた、という事は知らない。
今、龍に教えてもつげ口っていうかなんか嫌や。
これは私の問題やし。
よし、
「龍、帰ろ…」
「どーも初めましてー、ゆいの連れの絵里でーすっ」
「あ、どうも」
私の声と、絵里の声が被る。
しかも絵里の声の方が大きいから、私の声は消えて。
後ろのギャル達は龍の顔を見て、テンションが上がっているみたい。
絵里は絵里で、いきなり龍にべったりやし。
なんやねん、こいつら。
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