心愛は見つかるどころか時間だけが過ぎるばかりだった




「鳴海くんと付き合ってたってアンタ調子乗んな」


女の話声が聞こえてきた



「先輩は……好きな人がいるんです。私はどうなったっていいけど先輩の邪魔だけはしないでください!!」



心愛の声が響く


俺は声を頼りに走った



そして見つけたときには



座り込んでお腹を押さえている心愛がいた


よく見ると制服の裾から出た細い手足のあちこちにあざがあった