部屋にヒロの声が静かに響く。



「ふざけてない!」



ヒロを睨む。



「どいて。」


まだ私を見下ろしているヒロに睨みながら言う。



すると


ヒロはすんなりどいた。



それがなんだかむなしくて、洗面所の方へ逃げた。



むなしい気持ちが広がる。


鏡の前に座り込んでいるとヒロが後を追ってきた。



ヒロは制服を脱いで上半身裸だった。



「なにしてんの。」



目の前に立つヒロを見上げると、ヒロに抱き締められた。




服を脱いだヒロはもう香水の匂いでなく、いつものヒロの匂いだった。