走って莉子を追いかけに
いった裕也。
その背中を見送りながら
莉子の幸せを祈った。
莉子の傷を誰よりも
綾にはわかるから...
男に捨てられて
傷を追って、、、
それでもまだどこかで
待ってる自分がいる...
綾が裕也の消えていった
教室のドアを眺めていると望が綾の目の前に立つ。
「俺も綾だけだから。」
「なんでっ!?望!!私は?
ねぇ!!」
朱里に押し退けられる。
望の前に立つ朱里は、
怒鳴り散らしている。
「朱里には...悪いと思ってるよ。でも、、、綾が好きなんだよ。」
「そんなの・・・認めないよ!!だって...だってそんなっ」
朱里は必死に泣くのを
我慢してるようだった。
望は朱里の横を通りすぎ
立ち尽くしている綾の
正面に立った。
「綾だけだよ。」
何の不安も躊躇もなく
言い切る望。