生まれて初めて
こんなにも人が温かくて
愛しいと思った。
そして、この日から完全に
莉子が変わってしまった。
翔貴のことを避け、別れを切り出した。
ガードが堅くなって、手さえ触れられなかった。
今だって女には困ってない。
何もしなくても女の方から寄ってくる。
手を出せばいくらでも付いてくる。
莉子がいなくなってから、それこそ手当たり次第、女には手を出して、莉子に抱いた気持ちを、莉子がいなくなった心の隙間を埋めようとした。
俺がたくさんの女と連れ歩く姿も莉子は離れた場所から見ていた。
自分も遊ばれていたんだと莉子は思っているだろう。