『り...っ莉っ―子』




ぱっと目が覚める。





頬には涙が流れていた。






喉の奥でしゃくり声が上がる。






「大丈夫か?」







体を起こすと孝と綾は寝ていた。





名前を呼んだのは雄平だった。





夢・・・だった。







ふらふらと洗面所へと向かう。
顔を洗って大きく深呼吸をする。








・・・あの後、ケンは一度も
莉子に触れようとはしなかった。







そのせいで、お互いの距離がどんどん広がっていって...







ケンは新しい女をつくって莉子の前からいなくなった...








そう・・・ケンはあたしの元カレ。





愛してた、信じていた
最愛の男・・・