「翔貴と何があったのかは知らねぇ。でもな、お前は翔貴の玩具じゃねぇだろ。」
「玩具だよ...私は・・・翔貴から一生離れられない。」
莉子の頭の中にあの時の・・・記憶が蘇る。
・・・ケン。
「離れ...られない、っ」
「莉子...」
裕也がまた引き寄せようと近寄ってくる。
莉子はそれを拒むように身を引く。
「痛い目に合いたくないなら...私と関わんない方がいい...」
「関係ねぇよ」
ふっと笑う裕也。
「お前が好きだって言ってんだろ?お前を手に入れられんだったら、そのためなら・・・何でもやってやるよ」
ねぇ...
私はバカだよ...
ダメだってわかってるのに
裕也から目が離せないの...
裕也が近づいてくる。
逃げなきゃって思うのに、体が動かないっ・・・
裕也が抱き締めてくる。
・・・もう逃げられない。
離れたくないっ。
「お前は俺のもんになるだろ?」
ゆっくりと頷く。
裕也は、少し笑いさっきよりも優しく唇を重ねた。