離された腕が、寂しかった。
そのまま教室を出ようとする。
でも、教室のドアには今一番見たくない人が立っていた。
1人は望の女、朱里。
もう1人は...裕也の女
咲だった。
こっちを睨んでいるようだったが、知らないふりをして横を通る。
「ちょっと!!」
「なに。」
案の定声をかけられる。
嫌々振り返る。
「人の男に手出してんじゃねーよ!!」
咲が掴みかかってくる。
「離せよ。」
咲の腕をとって振り払う。
「あんた翔貴の女でしょ!!」
「・・・ちがう。」
「翔貴がいるからって調子のってんじゃねーよ!!!!」
咲が、叫ぶように怒鳴ってくる。
「それとも翔貴に遊ばれているって自覚してんじゃないの-」
朱里のせせら笑うような言い方に腹がたった。