「よっ!!ってか無視しただろ〜。俺、手ふったのに。」
望と裕也が綾と莉子の隣の席に座る。
「違うよ...気づかなかっただけ・・・」
綾は精一杯シラを切り通そうと目を合わせない。
「何かあったか?」
裕也の、低いよく通る声が話しかけてくる。
それだけなのに、心臓の鼓動が早くなる。
「・・・あのさっ「なんでっ!?彼女いるならどうしてアドレスなんて聞いたの!?酔ってた勢い?!...どうしてその気にさせるの?もう・・・最低。」
莉子の言葉を遮って一気に捲し立てる綾。
そのまま、綾は泣きながら走って教室を飛び出していった。
莉子には、今の綾の気持ちが痛いほどわかった。