非常階段に到着したオレは、辺りを見渡す。と、
そこには麻美の姿があった。

「なんで…いるんだよ。て、てかなんでオレがここに来ることしって…」

「知ってたよ。あんたがアノコに告白した日からずーっと。あの日だって見てたんだよあたし。」

「どうしてそんな…」

「どうして?言ったじゃない。一方的にでもいい、あたしはあんたのことを愛しているからよ。」

オレの腰に腕を巻き付けてくる麻美。

「………で、でも今日はこれから沙耶香が来るんだ!こんなとこ見られたらマズいから今日は帰ってくれ!」

「…や…、彼女、来ないよ。ふふ…」

「は?どうしてだよ??」

「だって…だってあたしが…ふふ…あはははははははははははははははははははははは!!!」
夕日のせいで気づかなかったが、よく見ると麻美の爪や手、制服の一部になにか…赤いシミがついている。血のような赤いシミが。