「うん。それを相談したいと思って。あれから私、多田さんと細井さんに呼び出されたでしょ?」





力ない笑みを浮かべながら、馬場さんは私の顔を見てきた。





「うん。二人に説得されて仲直りしたんだよね?」





私がそう言うと、馬場さんは首を軽く横に振った。





「あの3人、私が多田さんと細井さんの悪口を言ったって本人たちにチクってたみたい。もちろん事実無根だよ?」



「え?マジでサイテーじゃん」





映美佳がそう答えると、馬場さんはさらに続けた。






「どっちかと言うと、多田さんと細井さんの悪口を言ってたのはあの3人なんだ。私は『やめなよ』って言ってたけど…、雰囲気壊さないように笑顔で言ってたから効果無かったみたいで」



「じゃあ、多田さん達は馬場さんに注意するために…?」





私がそこまで言うと、馬場さんはゆるゆると頷いた。






「多田さん達の話だと、3人は止めたんだけど私だけがペラペラ悪口言ってて、仕方ないから無視して多田さん達に相談してきたって。でも、多田さん達にもう悪口を言いませんって誓ったら許すって言ってたよって言われて……」








そうか……


多田さんに引っ張られる前に、多田さんが言ってたっけ。





『自分が何やったか分かってるんでしょ?』





この言葉って、そういう意味だったんだ…。