「うわぁ〜、Y小にそんな人達いたんだ?うちの小学校、そんなのあんまりいなかったから、確かに難しいよね」





映美佳はあからさまに気持ち悪そうな顔をして、馬場さんに同調した。





「うん。それで昨日、『悪口じゃないことも話そーよ』って提案したんだけど…」



「…それで、仲間割れしてたんだ……」





私が小さな声でそう言うと、馬場さんは深く頷いた。





「そう。今日学校に来てみたら、3人とも私のこと無視。それからは……、杉田さんも知っての通り」



「え?つまり、Y小の子達に無視されたから、とりあえず柚のところに逃げ込んだってこと?」





馬場さんの話から状況を推測した映美佳は、私の顔を心配そうにのぞいてきた。






「うん…。あの時は『とりあえず』なんて考えてなかったんだけど…、ほら、瀬川に言われたじゃん。本当に杉田さんと話してみたかったから話してるわけじゃないんだろ?…みたいな」



「うん」





私は小さな声で馬場さんに相づちを打った。






「あれでハッとした。確かに私、一人きりになりたくなくて、本当にそれしか考えてなかった。受け入れてくれるなら、誰でも良かった」



「「………」」






いつの間にか私と映美佳は、言葉を発することなく真剣に馬場さんの話に聞き入っていた。