「いつも一緒にいる友達のことなんだ」
3人でゆっくり歩を進め始めて、映美佳が馬場さんに話を促すと、馬場さんからこういう答えが返ってきた。
「友達…かぁ。馬場さんのグループには柚は入ってないんだよね?」
「映美佳、知ってるじゃん。私があぶれたこと」
私が映美佳をチラリと見ると、映美佳は豪快に私の背中をパンパン叩いてきた。
「あ、ごめんごめん。一応確認ね。ほら、あれから状況変わったかもしれないじゃん」
「いいけどさ」
私が頬をふくらますと、映美佳は「まあまあ」と言いながら私の頭を軽くなでてきた。
そんな私と映美佳のやり取りを見ながら、馬場さんは少しずつ話し始めた。
「私はY小出身の3人の子達と行動してたんだ」
馬場さんの言葉に、私と映美佳は同じように相づちを打った。
「でも……、最近何か私と違う、合わないなって思い始めて……」
「うんうん。手っ取り早く席の近い子から友達になったら、結構ありがちだよね〜」
分かる分かる、という具合に、映美佳が深く頷いた。
「いつも話題が、誰かの悪口とかウワサ話ばっかりなんだ。口を開けば『アイツムカつくよね』とか、マイナスなことばっかり。正直、疲れてきちゃって」
「え…?」
全然気付かなかった。
周りから見ている限り、馬場さん達のグループは仲がとても良くて、いつも楽しそうに見えていたから。