「あぁ!もぅ!お母さんのせいだ!」

今日から中学生。
だけど初日から遅刻。
お母さんが起こしてくれなかったから。

「近道しよっ!」
スカートで塀を乗り越える女子ってなかなか居ないよね…
「きゃぁぁぁぁ!!!」

フミッ

あ…なんか踏んだ。
下を見ると男子が居た
「ごめんなさい!」

「いって~なぁ。お前重すぎ…」

お…重すぎ??
初めて言われた…
「ちょっと!失礼でしょ!」

顔を見た。やばいくらいかっこよかった。
さらさらの茶髪。
透き通った目

何でもお見通しみたいな…
「失礼?お前に言われたくないな。人を足蹴にするような奴には!」

足蹴ぇ?
「違うよ!あれは、下にいたあんたが悪い!」

素直に謝れない私。本当は私が悪いのに…
「はぁ?お前何年?」

「一年だけど…」

あれ…そーいえばこの人同じ制服。
同中!

「げっ。俺と一緒じゃん!」
何よ。げっ。って。

「あら~。うちイヤだなぁ~」

嫌みしか言えない…
それが私の性格。馬路嫌だ。

「なんだと~。」

その時…

キンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る

「やばっ!遅刻だ!」

ガララッ。

まさかの同じクラス。
最悪過ぎ…る


「はーい。今から名前呼ぶよ~。阿部」

「ねぇ。何て名前なの?」

隣は可愛らしい女の子だった。
前がアイツなのが気にくわないが。
「山梨由だよー♪よろしく♪」
なるべく愛嬌を振りまいた。
「へぇ!うちは吉松瑠魅!」
これまた難しく、珍しい名前で。
「瑠魅って呼んでね~♪」
可愛い…
同じ女子でも思う。
「山田…」
あ。そろそろ呼ばれる。
「山梨。」
『はい!』
はぃ??前の奴返事…したよね?