電車が目的の駅に着くと、俺は会社に向けてまた歩いていく。


 結構運動になるのだ。


 こんな七月の蒸し暑い中での出勤でしんどかったのだが、俺は何とか社に辿り着き、自分が所属する企画部のフロアへと入っていった。


「おはよう」


「ああ、おはよう」


 高村に声を掛けると、返事が返ってきて、磯野も、


「折田、おはよう」


 と言ってきた。


「ああ、おはよう。今日も頑張ろうな」


 俺は案外集団の中では発破(はっぱ)を掛ける方なのだ。


 大人しい部類じゃない。


 どちらかと言うと、お祭り騒ぎをしたいタイプなのかもしれない。