「ありがとうございましたー」


「お大事にね」




 来た時よりもゆっくりめに自転車を漕いでいると、公園に見慣れた二人の姿が見えた。


「あ」


 遼太と――ナナだった。


 こんな弱ってる時に見たくない組み合わせ……。



 俺ってば遠回りして帰ればいいのに、あろう事かそこに自転車を止めて遊具の陰に隠れた。