「おとといの事で、まだ言い足りないとか?」 「ちがっ――」 すぐに否定したナナの顔は、驚きとも怒りともとれるような、なんとも言い難い表情を覗かせていた。 「……じゃぁ何?」 「これ」 すっと差し出されたそれは、俺の好きなブランドの箱だった。 友里にもらった時よりも二周りくらい大きいだろうか?