「ナナってば起きるのおそ!」

 
 さっきまでの会話や雰囲気を悟られない様に、俺は精一杯笑顔をとりつくろう。


 ただでさえコイツってば寝起き悪いから機嫌を損ねないようにしないと。


「二度寝しちゃったらこんな時間だっただけだし……それよりコレどしたの?」


 テーブルに置かれたピアスや包装紙なんかを見て、ナナが首をかしげた。


 友里は気まずそうに流し台のほうへ行き、わざとらしくコーヒー豆を挽きはじめちゃったり……。