俺は買いたいものがあるからってわざわざデパートまで行った。 だってそうでもしないとナナと二人で帰る事になるじゃん。 あんな気分のまま、あれ以上話したくはないよ。 「あまっ」 唇をペロッと舐めるとさっきのココアの味がした。 だけど今の俺の心の内は、あのココアみたいに甘くはない――