現実を突きつけられた気がして胸が少し痛んだ。

 さっきまで上がり気味だったのにここまで一気に落ちるなんて……バカみたいじゃん。


「ナナって鈍感なの? それともわざと?」


「――え?」


「なんでもない」


 
 それからいくつか言葉を交わして、俺たちは店を出た。