(この調子だと…かなり怒ってるな。
だけど、仕方ないだろうが。自分の立場をもっと考えろって云うんだ。第一、まだ『好き』なだけで相手にされない場合だって有るんだからな…)

ジークは内心呟き、大きなため息をついた。












全ての授業も終わり、ティースは一人、図書室に居た。
ジークは、授業が終わるとすぐに街へと出て行ってしまい、食堂での話しももう少しするつもりでは居たのだが、そうもいかなくなった為に。

だが、いつになくティースはぼんやりとしている自分には気付いていなかった。
どうしても、目で図書室の人の出入りを気にしてしまっていて。


彼女との出会いはここだった為に。

一週間前、出された課題の資料を探しに来たとき。
少し高い場所に有った本を取るため彼女が困っていたのを見つけ、取ってあげたのが出会い。