そして…

「…ティース、そんな事言って良いの?
これから私がエルフ語でしゃべって解るの?」

そう言うと、いたずらでも思いついた子供の様に笑って言う。
…エルフ語で。

『ホントにこの言ってる事が解るの?あなたに。』

その言葉にティースは少し間を空け…

『早口なのは、聞き取れませんし、少し時間がかかりますけどね…』

と、フレイア同様エルフ語で答える。
それに対し、フレイアは嬉しそうに笑って言葉を続けた。

『凄いわね!
本当に解るんだ。何年ぶりかしら…この言葉でしゃべるの。』

『…でも、少ししか解りませんよ。』

『ううん。凄い凄い。人間で会話できるの初めて。
今まで、興味本位で私に近付いてきた人は、そんなこと無かったから。』

『…。』

『でも、あなたは…違うわね。
あぁ、そう言えばあなたの名前ってあの人と同じね。』

『あの…人?』