「…。」

「…入って待っててみますか?」

「あなたと、二人きりで?」

少女はいぶかしげな表情で問う。もっとも、ティースにはそれは見えないのだが。
しかし、このままで居れる訳でもなく、少女は仕方なく室内に入るようお願いをした。
そして医務室内に入り、室内の診察用のベッドの上に下ろして貰った。



ベッドの上に座り、少女は自身の足首を見る。
先ほどに比べ、真っ赤に腫れていて。さすろうとするだけで、かなり痛んだ。
そんな彼女の足を見て、ティースは

「…大分腫れてますね…すみません。」

と、謝る。

「私も、不注意だったから仕方ないわ。
ここまで連れてきてくれて有り難う。」

彼女の言葉にティースは微かに笑うと、周りを見回し、足を冷やせるような物が無いか探す。
そして、小さめのタオルを見つけるとそれを水で濡らして絞ると少女に尋ねた。

「冷やすのに、足に触れても良いですか?」

と。先ほど、触れることに拒まれたため、また怒らせたくない。そんな思いからだ。

「…自分で出来るから。有り難う。」

軽く拒まれ、少しだけ寂しく感じたが、先程よりも強い拒否では無かったためティースは、濡らしたタオルを手渡すと少し離れた場所に座った。