そして、思わず見惚れる。


先ほどは、どうとも思わなかったが…

(…綺麗…。)

横顔ではあるが、透き通る様な白い肌で…瞳は深い碧。長い髪も、光に当たると金色のそれが、ますます美しさを増すかの様だった。
表情は、無表情に近いが、女性的な顔立ちで美しい事には変わりがない。
そして、納得する。
自分がほかの女の子達から恨みでも買いそうな状況で有ったことも。

(…こんな人間が居たんだ…)

そう思うと、自分自身の頬が熱を持っているのが解った。

だが、そんな自分に気付き否定するかの様に、頭を横に緩く振る。

(人間になんかに、見とれてどうするの?
私は、エルフなんだから!)

「…どうか、されましたか?
振動で響いて痛いですか?」

上で動かれた様な気がしてティースは背中の少女に尋ねる。

「なんでも、無いわよ…。それより…。」

「はい?」

「…あなた…名前は…?」