「や、止めてよ!恥ずかしいじゃない…!!」

「ですが…自分で立てないくらいに痛いんですから…歩くのは無理では…?」

ティースにそう言われ、少女は押し黙る。

確かにその通りだったから。
少女は、渋々ティースの背に乗ると、おぶられ、嫌々ながらも医務室に連れて行って貰うのであった…。









医務室までの道のりは、彼女にとっては最悪なものであった。
ただでさえ、人間では無い自分は稀有な物を見る目で見られ、余り良い顔では見られない。
尚かつこの、おぶられた状態。
目立たない訳がない。

しかも、道行く女生徒からはまるで呪いでもかけられるかの様な目で見られる。

(一体何だって云うのよ…)

そう思いつつ、改めて自分をおぶってくれている男の顔を後ろから覗き込んだ。