八崎はそう毒づいたが、この高校においてさえその存在は異色を放っていた。



登校は月に1・2回。


190近くの長身で、体格もかなり良い。



買った喧嘩は全戦全勝、校内最強と言われている。



赤みがかった髪と鋭い目つきが特徴的で、ひと睨みするだけでたいがいの者は怖気づいてしまう。



また、これといった友人や舎弟のいない一匹狼としても有名である。



八崎が教室の扉を開けると、一瞬空気が凍りついた。



そして短い沈黙の後、室内のいたるところでひそひそ話が飛び交う。



いつもの風景だった。




そしてしばらくすると、各々ゲームの続きをしたり、コーラを飲んだり、ラジコンカーを動かしたりと自由に遊びだす。



こいつら幼稚園からまるで進歩してないなと八崎は思った。


それから自分の席に着くと、机の上にどさっと鞄を置いた。



かなりの重量があるが、学習道具はあまり入っていない。中身のほとんどは軽食だ。