「うはっ、違うって。もう放課後!いやいや、結ってガッコにいる間ずっと起きてるからさあ、そういう体質なのかな~って。」
 



「まさかぁ。バイトで遅くなった時は授業中でも眠くなるし。ふああ、今日は早く寝なきゃ…。」
 



腕で目をごしごし擦ると、やっと結はいつもの黒目勝ちな目に戻った。
 


「もう本当に最近はしんどいんだよー。夜のじゅっ…。」



結の言葉の先はそこで折られた。



というのも、クラスで一番荒れていると噂される城島弘がずかずかと歩み寄ってきたからだ。
 


背丈はそんなにないが、彼には独特の威圧感があり、近づいただけで背筋に冷たいものが走る。3人はごくりと息をのんだ。
 



「椎名。」
 


城島は低い声で言った。美春と涼子は厳しい顔をしたが、結はいつもの笑顔で返事をする