「分かった。来られそうだったら来るよ。夏凪も一緒に。」
 


「ああ、じゃあ明日な。」
 


通話を終えると、八崎は一度コーヒーを淹れ、頭の中をリセットした。
 


確かにあの事件を起こしたんだから、パソコンの腕前は調べるまでもないだろう。


しかし…。
 


「まだそいつが同じ学校の後輩だと決まった訳じゃない。


それに、高校生だぞ。


…いや、それは俺もか。


確かに実動の大半は土日だしな。


無理ではないか。


でも交渉成立の可能性は極めて低い…。



いちいちそんなまどろっこしいヤツを雇うこともないよな。」



 一応、踏ん切りのついた八崎は、まだ目を通していない紙の束を手に取った。



そうだ、まだ全ての資料に身を通したわけではない。



他にも良い人材があるはずだ。