「はあ?なにが?」


「ほら、近々秘書を雇うって言ってたろ?」
 


「で、それが何かあった訳?」
 


明らかに機嫌を損なっている。しかし八崎は構わず続けた。
 

「もし中年のジイさんだったらどうする?」
 


「絶対ヤダ。」
 

「じゃ、女子高生だったら?」
 


「そりゃ大歓迎だよ!えっ、ウソ、候補にいるの?」
 


聞く相手を間違ったかもしれない。



八崎は深いため息をつく。
 



「候補って候補じゃないけどな。まあ一応考えてみる。それでだ、明日の夕方事務所に来られないか?」 
 


「その子に会わせてくれんの?」
 


「さあな。」 
 



ふーん…と及川は曖昧な相槌を打つと、しばらく間を置いた。