思い当たる人物は、一人しかいなかった。



今日、長谷部が言っていた…。
 


(いや、分からない。椎名なんて名字のヤツはたくさんいる。年齢と学校は辻褄が合うが…。うぅむ。)



 
ふと、八崎は急に冷静になった。だとしたら何なんだ。




1年の女子が元犯罪者だとしても、知ったことではない。



それとも秘書として雇うのか?



現役女子高校生を。




 
と、その時ラーメン屋の着信音が鳴った。


案の定、及川梓からだ。



 「ちょっと何すんのさ!」


通話ボタンを押した瞬間、ハウリングを起こしそうなほどの大声が鳴り響いた。



「そっちから電話しといて出た瞬間切るか?普通!」
 



「スマン。予想外の出来事が起きたんだ。」