『目を開いてみなさい、もう君の声は千秋ちゃんに届きますよ。それに自由に身体が動くはずです』
ゆっくり眼を開いてみると、身体が少し軽くなってる気がした。
ほっ…本当かな?
少しお腹に力を入れて息を吐いてみた。
『ぁ…あの、レイルさん…わぁ!口が動くし身体も動くー!』
『シーッ!…千秋ちゃんが起きちゃいます!』
『あっ!!…ごめんなさいっ』
僕は歩いた事がない足を初めて前に出してレイルさんに近づいた。
少しふわふわして上手く歩けないけど、なんとかレイルさんの側まで行った。
『レイルさん!ほんとにありがとう!これで、ずっと千秋ちゃんとお話できるよ!』
嬉しくて嬉しくて、レイルさんの手を握りながら声を抑えて言うと、レイルさんは少し眉をしかめた。
『…少し言いにくいんですが…ずっとではないんです』