ダメだ。
私、この空気..
泣いちゃいそう。
何で2人で来るの??
訳わかんないよ..
私は視界にいれないように
横をむいて
視線をずらした。
2人の表情は全く
見えなくて、
それはそれで怖かったけど、
見ていたら感情を
ぶつけてしまいそうで、
私は眉間に皺を寄せて
唇を噛んで
必死に耐えた。
黙っていると、
那都君が優しく私を
呼んだ。
体が反応しちゃうけど
私は無視した。
すると今度は
手をいきなり掴まれて
少し捻れていた体を
正面に引っ張られた。
そして手首を掴まれたまま、
「えみり先輩。」
もう一度呼んだ。
今度は表情がみえて。
その顔は今にも
泣きそうだった。
私は手を
振り払えなくなってしまった。
ずるい..
そんな顔、今まで一度も
みせたことないくせに。
うぅん。
違うの。
それだけじゃないの。
だって那都君...