んなっ!?
ヤバいヤバいヤバい!!
いくらプリティ王子と言われている絢でも腹黒さを知って、その上男の表情をしている今では………ドキドキするなという方が無理難題だ。
バクバクと煩い心臓。
「ねぇ…梨羽? 知ってた?」
耳元で絢が喋る度に吐息が耳にかかって仕方がない。
絢の言葉を聞き逃さないように意識を保つことが精一杯だ。
「何…が?」
「俺が………梨羽のこと………━━━」
風によって消された言葉。
だけどあたしの耳元で囁いたから…あたしにはキチンと聞こえていた………。
その言葉を聞いた時、あたしは体から力が抜けると同時に今までのいろんなことが今になってあたし自身に降り懸かってきた。
気を失っていた━━━…。
「んっ…」
目が覚めると視界に入ってきたのは白い天井。
そして消毒液などの匂い。
見覚えがあるから…保健室か。
ゆっくり起き上がろうとするとすぐ側から声が聞こえてきた。
「あ、気づいた?」
「梨羽!? 大丈夫か!?」
「疲れが溜まったんだな」
三人がいた。