━━━━━澪と帰るようになって、数日が経った頃。
もう冬休みまであと2日というところだった。
私が澪と一緒に帰っているからなのか、例の澪の元彼は姿を現すこともなく、怖い思いもまったくせずに過ごせていた。
朝、必ず菊ちゃんに心配そうに聞かれる。
「昨日は大丈夫だった?」
私は毎日のように「大丈夫だよ」と笑顔で返すのだった。
「あと2日かぁ」
とつぶやいた菊ちゃんに、私はうなずいて見せた。
「今日と明日でおしまいだから、冬休みに入ったら部活の帰りはまた一緒に帰れるから」
「うん」
菊ちゃんはまだ心配なのか、いつもの元気はあまり感じられなかった。
その日の放課後。
もう何も起こらないだろう、とのほほんとしていた私は、澪といつものように待ち合わせをして玄関を出た。