澪はなんとなく周りをキョロキョロ見回しながら、少し声のトーンを落とす。


「今もどこかで私たちのこと見てるかもしれない。考えただけで怖いよ」


「警察には言わないの?」


こんな時こそ警察に行くべきなのではないかと提案してみたものの、澪は静かに首を振った。


「学校に知られるのは嫌なの」


「そっかぁ……」


確かに警察沙汰にでもなれば嫌でも学校に知れ渡ってしまうだろう。


そうなるとクラスでも噂になってしまうだろうし、澪はそんなおおごとにはしたくないのだ。


でも、仮に冬休みに入ったとして。
その後は元彼のことはどうするのかな。


徳山先生にどうにかしてもらうのだろうか。