「君の中の私のイメージってそんな感じなんですね」


徳山先生がフーッとひと息ついたので、私は笑ってごまかした。


私の徳山先生のクールでかっこよくて近寄り難いというイメージは、あの澪とのキスを目撃したことによって壊れた。


なんというか、肉食系?


「ま、それはさておき」


私の過敏な反応を楽しんだあと、徳山先生は廊下に誰もいないことを確認してから手招きしてきた。


一瞬迷ったあと、先生についていくことにした。


連れてこられたのは、やっぱりあの資料室。


ここの鍵は社会科の資料が置いてあるため徳山先生が主に管理しているらしいのだ。


彼は私を資料室に入れると、声を潜めた。


「君にお願いがあります」


「お、お願い?」


私はまたしても目を丸くしてしまった。