委員会をおこなう教室に戻ると、最初に来た時のように真司が窓際の席で頬杖をついて私を待っていた。
ついさっきまでの会話は一体なんだったのだろう、と思うほど彼はいつも通りに笑っていた。
また私はこうやって彼といつもみたいに過ごしていくのかな。
なんだか心がチクリと痛んだ。
ふと顔を上げると、また澪がこちらを見ている。
彼女にどうかしたのかと尋ねようとした時、高野先生が教室へやって来た。
「みんな、集まってもらって申し訳ないんだが、台風の影響で大雨だから今日は委員会は中止にするから」
と、私たち生徒への委員会中止の連絡だった。
「萩、一緒に帰らない?」
おもむろに隣の真司が誘ってくる。
「ごめん、ちょっと友達が話があるっていうから」
と断ると、真司はうなずいて教室を出て行った。
真司に続いて集まっていた生徒たちがゾロゾロと帰っていく。